I. モーションスタディ(Motion Studies)の概要
モーション スタディでは、アセンブリ モデルの動作シミュレーションをグラフィカルに行い、照明やカメラアングルなど、表示に関する設定を反映させることができます。モーション スタディは、アセンブリ モデルやそのプロパティに実際の変更を加えることなく、指定されたシミュレーション要素に基づいてモデルの表示を変更します。SOLIDWORKS の合致関係を利用し、アセンブリの構成部品の動きを制限することも可能です。
モーション スタディでは、MotionManager というインターフェースを用いて以下のツールを使用します:
- アニメーション (Animation) : (SOLIDWORKS で利用可能) アセンブリの動作をアニメーションとして表示できます。これにより、モーターを追加して部品の動作を駆動し、キーポイントを設定します。補間モードを使用してキーポイント間の動作を定義します。
- ベーシック モーション (Basic Motion) : (SOLIDWORKS で利用可能) ベーシック モーションでは、アセンブリのモーター、ばね、接触、重力などをシミュレートし、モーション計算で質量を考慮します。これにより、物理的なシミュレーションを迅速に計算し、プレゼンテーション用のアニメーションを作成できます。
- モーション解析 (Motion Analysis): (SOLIDWORKS Premium で利用可能) モーション解析を使用すると、アセンブリ内で力やばね、ダンパー、摩擦などのシミュレーション要素を正確にシミュレーションし、その影響を分析できます。運動解析は高度な計算機能を持つソルバを使用し、材料特性や質量、慣性も考慮します。また、シミュレーション結果をプロット出力してさらに分析することができます。
MotionManager ツールバーでは、ビューポイント変更、プロパティ表示、アニメーション作成などが可能です。
アニメーション | ベーシックモーション | モーション解析 | ||
---|---|---|---|---|
Animation Wizard | ○ | ○ | ○ | |
干渉チェック | ○ | ○ | ○ | |
モーター | ○ | ○ | ○ | |
ばね | × | ○ | ○ | |
ダンパー | × | × | ○ | |
力 | × | × | ○ | |
接触 | 摩擦なし | × | ○ | ○ |
摩擦あり | × | × | ○ | |
衝突パラメーター | × | × | ○ | |
重力 | × | ○ | ○ | |
結果とプロット | × | × | ○ | |
アニメーションの動画保存 | ○ | ○ | ○ | |
合致 | 標準合致 | ○ | ○ | ○ |
詳細設定合致 | ○ | △(接触との互換性なし) | ○ | |
機械的合致 | ○ | △(接触との互換性なし) | ○ | |
ソルバー | D-Cubed 3DDCM | Ageia PhysX |
ADAMS |
引用: アニメーション、ベーシックモーション、モーション解析の違い | 製品情報 | CAD Japan.com
II. モーション解析の概要(Motion Analysis Overview)
- モーション解析(SOLIDWORKS Motion)
SOLIDWORKS Premium に含まれるモーション解析では、アセンブリの動作シミュレーションを力・ばね/ダンパー・摩擦などを含めて正確にシミュレーションできます。合致や物理特性、質量、接触条件などを考慮し、構造解析用の荷重計算も可能です。MotionManager で「モーション解析」を選択して使用します。
モーション解析は、SOLIDWORKS Premium の SOLIDWORKS Motion アドインを使用して、アセンブリの動作をシミュレーション・解析。シミュレーション要素(力、ばね、ダンパー、摩擦)を組み込むことが可能です。
モーション解析スタディは、合致(mates)とモーションスタディ要素を統合し、SOLIDWORKS Motion の運動学的ソルバで計算します。構造解析における荷重を計算することも可能です。
- ベーシック モーションの概要(Basic Motion Overview)
ベーシック モーションでは、モーター、ばね、衝突、重力の効果を動作シミュレーションで再現し、質量を考慮した計算が行われます。計算は高速で、物理シミュレーションを表現するアニメーションが作成できます。
シミュレーション作成方法:
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MotionManagerのスタディタイプから「ベーシック モーション」を選択。
利用可能なモーション スタディ タイプを次に示します:
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アニメーション
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ベーシック モーション
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モーション解析
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MotionManagerツールバーでシミュレーション要素を指定。
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計算(MotionManager ツールバー) をクリックし、シミュレーションを計算。
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再生ボタン(MotionManager ツールバー) でシミュレーションを最初から再生。
III. 最適なモーション スタディを選ぶための鍵
モーション スタディの選択肢には、アニメーション – Animation(質量や重力を計算に含まないプレゼン用)、ベーシック モーション – Basic Motion(質量、衝突、重力を計算要素とする近似シミュレーション)、運動解析 – Motion Analysis(物理的な動きを計算要素とする、計算精度の高いシミュレーション)の3つがあります。それらのオプションでは、動作シミュレーションは最も計算強化されたツールで、衝撃解析スタディにより構成部品の反応を理解することができます。
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