OEM企業が直面するERP統合の壁

ニュース 9月 30, 2025

近年、製造業におけるデジタル化が加速する中で、ERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務システム)の導入は、OEM企業にとって不可欠な戦略となっています。

ERPは、生産管理、在庫、購買、財務、人事などの業務を一元的に管理し、業務効率の向上と意思決定の迅速化を支援します。しかし、ERPの導入だけでは十分ではありません。真の価値を引き出すためには、ERP統合はすなわち、ERPと他の業務システム(CRM、CAD、CPQなど)との連携が不可欠です。統合が不十分な場合、情報の分断や手作業による非効率が発生し、競争力の低下につながります。

本記事では、OEM製造におけるERP統合の課題をご紹介します。

I. OEM企業が直面するERP統合の課題とは?

ERP統合は、業務の効率化とデータの一貫性を実現するための重要なステップですが、OEM企業では以下のような課題が多く見られます。

  • システムの断片化と多様性

OEM製造業界では、SAP、Oracle、Epicorなどの大手ERPだけでなく、多くの企業が独自のシステムを使用しており、統一性に欠ける環境が広がっています。

  • 高度なカスタマイズによる柔軟性の低下

業務に合わせたERPのカスタマイズは必要不可欠ですが、過度な変更はアップグレードや他システムとの連携を困難にし、保守コストの増加にもつながります。

  • 外部システムとの連携不足

CRM(Salesforce、HubSpot)、CAD(Solidworks)、給与管理(ADP)などの外部ツールとの連携が不十分で、手作業や二重入力が発生し、業務効率が低下しています。

 

OEM企業が直面するERP統合の壁
ERP導入前と統合後のシステム構成図|分散型DBと統合DBの比較

 

II. ERP統合における技術的・運用的な障壁

ERP統合は、単なるシステム接続ではなく、業務プロセス全体の再設計を伴う複雑な取り組みです。OEM製造においては、以下のような技術的・運用的な障壁が顕著に現れています。

  • レガシーシステムとの互換性

多くのOEM企業では、10年以上前に導入されたERPや業務システムが稼働しており、新しいクラウド型ERPとの互換性に課題があります。

  • カスタマイズの複雑化

業務に特化した高度なカスタマイズは、柔軟性を損ない、アップグレードや他システムとの連携を困難にします。

  • 外部ツールとの非効率な連携

CRM(Salesforce、HubSpot)、CAD(Solidworks)、給与管理(ADP)などの外部ツールとの連携が不完全で、データの二重管理や手作業が発生しています。

III. ERP導入のトレンドと将来展望

ERPの役割は、単なる業務管理ツールから、企業全体の成長戦略を支える統合プラットフォームへと進化しています。特にOEM製造業界では、ERPの活用方法が多様化し、以下のような方向性が注目されています。

従来のオンプレミス型からクラウド型への移行が進んでおり、柔軟な運用、ITコストの最適化、将来的な拡張性を重視する企業が増加しています。

  • CRM・CPQとの統合強化

営業・見積・設計・製造までの情報連携を強化するため、CRMCPQとの統合が重視されています。これにより、顧客対応の迅速化と業務の一貫性が実現されます。

  • 業務プロセスの再設計と自動化

ERP導入に合わせて、業務プロセスそのものを見直し、自動化・標準化を進める動きが広がっています。これは、ERPの真価を引き出すための重要なステップです。

 

OEM企業が直面するERP統合の壁
クラウドERP導入による業務改善と成長性の向上

 

IV. まとめ

ERP統合は、OEM製造の競争力を左右する重要なテーマです。

IDEAは、設計段階からERPとの連携を考慮した自動化設計ソリューションを通じて、統合の壁を乗り越える支援を行っています。ERP導入や統合に課題を抱える企業様は、ぜひIDEAまでご相談ください。現場に即した技術提案と、ベトナムならではの柔軟な対応力で、貴社のDX推進を力強くサポートいたします。

IDEAグループについて

弊社はベトナムにある機械設計請負・精密機械加工・自動化機械設備製作・ロボット/無人搬送車(AGV)研究開発・貿易の4つ事業をしている会社です。ベトナム国内の子会社は2社、日本と米国に各1社子会社を展開しています。

「迅速な対応・安価で高品質」をモットーにしています。従業員は250名で合弁企業含め420名、15年以上にわたりお客様に満足して頂く為に、品質、サービスを常に改善していく努力をする事でお客様からの高い評価を頂いております。今後は更なる展望として「お客様により貢献できる機械設計・加工・製造会社となり、また、ベトナムの産業の発展に貢献する」ことを目指していきます。

納入実績:https://ideagroupvn.com/nonyu-jisseki/sekkei/

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