製造委託の重要性とは?
近年、製造業界では外部委託(製造委託)のニーズが急速に高まっています。特に中小企業にとっては、限られたリソースの中で製品開発を効率化し、品質を確保するための有力な手段となっています。しかし、製造委託には「OEM」や「EMS」など、似ているようで異なる形態が存在し、それぞれに特徴と適した使い方があります。
この記事では、初心者でもわかりやすく、OEMとEMSの違いを整理しながら、製造委託の基本と選び方のポイントを3分で理解できるように解説します。
OEMとEMSの基本定義
OEM(Original Equipment Manufacturer)とは?
OEMは、発注者が設計・図面を用意し、製造だけを外部に委託する形態です。製品は発注者のブランド名で販売され、委託先は製造工程に特化します。
- 発注者が製品仕様を完全にコントロール
- 図面や設計データの提供が必要
- 品質管理も発注者が主導するケースが多い
EMS(Electronics Manufacturing Services)とは?
EMSは、設計から製造、組立、検査までを一括して請け負うサービスです。特に電子機器分野で広く利用されており、技術力の高いEMS企業が多く存在します。
- 委託先が設計支援や部品調達も対応
- 製造工程全体を任せられるため、開発スピードが向上
- 品質保証体制が整っている企業が多い

OEMとEMSの違いをわかりやすく比較
このように、OEMは設計主導型、EMSは包括委託型と捉えると理解しやすいです。
項目 | OEM | EMS |
---|---|---|
設計責任 | 発注側 | 委託先(または共同) |
図面提供 | 必須 | 必要に応じて |
製造範囲 | 製造のみ | 設計〜組立〜検査まで |
品質管理 | 発注側が主導 | 委託先が一括対応 |
コスト | 比較的安価 | 包括的で高めの場合も |
柔軟性 | 高い(設計変更可能) | 標準化されたプロセスが多い |
製造委託の選び方ガイド|自社に合った形態は?
- 自社のリソース(設計力・品質管理体制)を見極める
- 製品の複雑性・技術要求に応じて選択
- 長期的なパートナーシップを築けるかどうか
- 品質保証体制・トレーサビリティの有無
まとめ
OEMとEMSは、どちらも製造委託の有力な選択肢ですが、目的や自社の体制によって最適な形態は異なります。初心者でも基本を押さえれば、委託先選びで失敗するリスクを減らすことができます。
製造委託を検討する際は、まず自社の強み・弱みを整理し、信頼できるパートナーとともに最適な製品づくりを目指しましょう。
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