「良い機械設計のアイデアが出ない」「どこから考え始めればいいのかわからない」
これは、若手エンジニアからベテラン設計者まで、誰もが一度は経験する悩みです。
本記事では、現場経験10年以上の設計者の視点から、実践的な発想プロセスと、機械設計における思考の基本を7つのポイントでご紹介します。
1. 課題の本質を理解する
すべての設計は「問題解決」から始まります。
単に「動けばいい」ではなく、「なぜその機能が必要なのか」「どんな制約があるのか」を深掘りすることが、アイデアの出発点です。
✅ 実践ポイント:
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クライアントや現場の声を直接ヒアリングする
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Whyを5回繰り返して「本質的な目的」を探る
2. 類似の構造・過去の設計からヒントを得る
ゼロから考える必要はありません。
社内の過去案件、GrabCADやYouTubeの機構動画、市販の装置… これらすべてがヒントになります。
✅ 実践ポイント:
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自分の「構造の引き出し」を常に増やす意識を持つ
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他業界の構造も積極的に観察する
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3. 手書きスケッチで構想を視覚化する
CADに入る前に、まずは紙とペンで構想を描きましょう。
動きの流れ、干渉ポイント、組立順序などが直感的に把握できます。
✅ 実践ポイント:
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スケッチを共有し、早期フィードバックを得る
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複雑な動作も「一枚の紙」にまとめるクセをつける
4. 複数案を並べて比較する
設計案は1つだけではありません。
複数の選択肢を並べて評価し、最も現実的かつ効果的な構造を選ぶことが重要です。
✅ 比較項目例:
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コスト(部品点数、加工難易度)
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機能(耐久性、速度、精度)
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保守性・安全性
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5. 他部署・他者とのレビューを積極的に行う
アイデアは一人で考えるものではありません。
製造、電気、営業、そして顧客からの視点を取り入れることで、構想はより現実的になります。
✅ 実践ポイント:
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初期段階でもレビュー依頼を行う
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社内で“壁打ち”文化を育てる
6. モデル化して早期検証する
構想が固まったら、3D CADでシンプルな動作モデルを作成し、干渉や動作の確認を行います。
この段階での「検証→修正」が、後の手戻りを最小限に抑えます。
7. 試行錯誤を前提としたマインドを持つ
「一発で完璧なアイデア」を求めるよりも、「まずやってみる」「失敗してもすぐ修正する」姿勢が重要です。
✅ キーワード:
Fail Fast – Fix Fast(早く失敗し、早く直す)
まとめ
アイデアの出し方に“正解”はありませんが、共通するのは以下の姿勢です:
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問題を深く理解する力
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引き出しを広げる努力
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チームとの連携
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失敗を恐れない行動力
IDEAでは、こうした思考プロセスを設計文化として根付かせ、日本のお客様に信頼される設計提案を日々実践しています。
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