機械設計の基礎知識| どうやって機械設計のアイデアを生み出すのか

ニュース 8月 7, 2025

「良い機械設計のアイデアが出ない」「どこから考え始めればいいのかわからない」

これは、若手エンジニアからベテラン設計者まで、誰もが一度は経験する悩みです。

本記事では、現場経験10年以上の設計者の視点から、実践的な発想プロセスと、機械設計における思考の基本を7つのポイントでご紹介します。

機械設計の基礎知識①:どうやって機械設計のアイデアを生み出すのか?

1. 課題の本質を理解する

すべての設計は「問題解決」から始まります。

単に「動けばいい」ではなく、「なぜその機能が必要なのか」「どんな制約があるのか」を深掘りすることが、アイデアの出発点です。

実践ポイント

  • クライアントや現場の声を直接ヒアリングする

  • Whyを5回繰り返して「本質的な目的」を探る

2. 類似の構造・過去の設計からヒントを得る

ゼロから考える必要はありません。
社内の過去案件、GrabCADやYouTubeの機構動画、市販の装置… これらすべてがヒントになります。

実践ポイント

  • 自分の「構造の引き出し」を常に増やす意識を持つ

  • 他業界の構造も積極的に観察する

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3. 手書きスケッチで構想を視覚化する

CADに入る前に、まずは紙とペンで構想を描きましょう。
動きの流れ、干渉ポイント、組立順序などが直感的に把握できます。

実践ポイント

  • スケッチを共有し、早期フィードバックを得る

  • 複雑な動作も「一枚の紙」にまとめるクセをつける

4. 複数案を並べて比較する

設計案は1つだけではありません。
複数の選択肢を並べて評価し、最も現実的かつ効果的な構造を選ぶことが重要です。

比較項目例

  • コスト(部品点数、加工難易度)

  • 機能(耐久性、速度、精度)

  • 保守性・安全性

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5. 他部署・他者とのレビューを積極的に行う

アイデアは一人で考えるものではありません。
製造、電気、営業、そして顧客からの視点を取り入れることで、構想はより現実的になります。

実践ポイント

  • 初期段階でもレビュー依頼を行う

  • 社内で“壁打ち”文化を育てる

6. モデル化して早期検証する

構想が固まったら、3D CADでシンプルな動作モデルを作成し、干渉や動作の確認を行います。
この段階での「検証→修正」が、後の手戻りを最小限に抑えます。

7. 試行錯誤を前提としたマインドを持つ

「一発で完璧なアイデア」を求めるよりも、「まずやってみる」「失敗してもすぐ修正する」姿勢が重要です。

キーワード

Fail Fast – Fix Fast(早く失敗し、早く直す)


まとめ

アイデアの出し方に“正解”はありませんが、共通するのは以下の姿勢です:

  • 問題を深く理解する力

  • 引き出しを広げる努力

  • チームとの連携

  • 失敗を恐れない行動力

IDEAでは、こうした思考プロセスを設計文化として根付かせ、日本のお客様に信頼される設計提案を日々実践しています。

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弊社はベトナムにある機械設計請負・精密機械加工・自動化機械設備製作・ロボット/無人搬送車(AGV)研究開発・貿易の4つ事業をしている会社です。ベトナム国内の子会社は2社、日本と米国に各1社子会社を展開しています。

「迅速な対応・安価で高品質」をモットーにしています。従業員は250名で合弁企業含め420名、15年以上にわたりお客様に満足して頂く為に、品質、サービスを常に改善していく努力をする事でお客様からの高い評価を頂いております。今後は更なる展望として「お客様により貢献できる機械設計・加工・製造会社となり、また、ベトナムの産業の発展に貢献する」ことを目指していきます。

納入実績:https://ideagroupvn.com/nonyu-jisseki/sekkei/

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