部品図バラシの概要 (パート ½)

ニュース 12月 17, 2024

製造業や機械設計の現場では、部品図バラシという工程が非常に重要な役割を担っています。部品図バラシとは、2Dまたは3Dの組立図から個別の部品を抜き出し、それぞれの加工寸法、公差、表面処理、溶接指示などを盛り込んだ部品図を作成するプロセスを指します。完成した部品図は、そのまま加工現場や外注先に渡されるため、製品全体の品質や組立精度を左右する極めて重要な作業です。

本記事では、「部品図バラシの概要(パート1/2)」として、バラシ作業を行う際に押さえておくべき基本概念や事前準備、図面レイヤー設定や投影配置など、部品図作成に必要な基礎知識について詳しく解説します。部品図バラシの品質を高めるためのポイントをまとめていますので、設計者・バラシ担当者の方はぜひご参考ください。

部品図バラシ、部品図作成

 

1. 部品図バラシの概念

機械、設備、ラインを作るには、多くの段階を経る必要があります。設計構想→組立図設計(2Dまたは3D)→部品図作成(いわゆる部品図バラシ)→加工→組立→点検→梱包→使用
2D 組立図または 3D 組立図から部品を新しいレテンプレートに分離し、十分なサイズ、公差、処理、符号などを書き込む、完全部品図を作成する作業は部品バラシと言います。 後にバラシと略称されます。

ということで、バラシ作業は非常に重要です。 この作業を部品設計と見られます。 バラシの後、部品図は加工されます。部品の品質、精度、操作性は部品図の精度に大きく左右されます。例えるなら

    • サイズを間違えると組立できなくなります。
    • 適切でない公差を設定すると組立できない可能性もあります。
    • 指示する部品の粗さは適切でない場合、部品の操作性に影響を与え、本機が作成する製品に欠陥や品質の低下を引き起こす可能性があります。
    • その他の影響要因

2. バラシ前に知っておく基礎知識

部品材料: 常用される部品の材質は、炭素鋼、SUS、アルミニウム合金(総称してアルミ材)、POM、MCナイロン、PETなどのプラスチック材、その他の材質もあります。

3. バラシの案内

3.1. お客様規格

案件の作業を実行する際、最初にすべくことは規格を慎重に読むことです。お客様の規格の内容をよく理解しておきます。

3.2. テンプレート

バラシにはテンプレートが必要です。バラシの前に、テンプレートがない場合、プロジェクト マネージャーにテンプレートの提供を依頼する必要があります。
SoliWorks、Inventor、Catia、Creo などの 3D 設計ソフトでは、テンプレートまたは図率を変更する際、自動的に変更されるのでかなり簡単です。属性も自動的に変更されます。

Autocad、Icad、BricsCad などの 2D 設計ソフトでは、テンプレートまたは図率を変更する際、自動的に更新されません(プリインストールモジュールを除く) 、自分で変更しなければなりません。一部の属性も自動的に更新されません。これには特に意識する必要があります。変更する際、すべての属性を現在のテンプレートに一致するように訂正する必要があります。

 

3.3.  規格レイヤーのルール

大抵の各お客様にはレイヤーに関する個別の規格があります。作業する際は、お客様が指定したレイヤーに遵守しなければなりません。通常、3D設計ソフトではレイヤーがプリセットされており、バラシの際、自動的に変更します、お客様が提供したテンプレートを使用するだけです。2D設計ソフトウェアでは、お客様が指定したレイヤーに遵守しなければなりません。
お客様によって案件のレイヤー規格は異なります。 レイヤーには基本的に次の種類があります。

 

    • 輪郭レイヤー:太い実線(アウトライン)、厚みは通常0.25〜0.3mm.
    • 隠れ線レイヤー:波線隠れ線、厚みは通常0.18〜0.2mm.
    • 中心線: 一点鎖線 (センターライン)、厚みは通常0.13〜0.15mm.
    • 細線寸法線レイヤー: 厚みは隠れ線と同じです。注記テキスもこのレイヤーをよく使用します。
    • 実線:ネジ谷線に使用されます、または別途の切断線、切断線に指示されます。ラインの厚みは通常、中心線のラインの厚みと同じです。
    • 二点鎖線:参照線に使用されます、厚みは中心線と同じです。
    • その他のタイプのレイヤー

 

注意:ICADソフトではラインの厚みが3種類に分かれています:大厚み、中厚み、小厚み。お客様の指示がない場合は中厚みと小厚みの2種類のみとなります。中厚みは輪郭に使用され、残りは小厚みを使用されます。

 

3.4. 投影角、投影配置、寸法角

投影角

部品図バラシの概要 (パート ½)

ベトナムの規格とは異なり、JIS規格の投影角は第三角法になります。

図内に投影を配置方

部品図バラシの概要 (パート ½)1

優先順位①から⑤まで
通常、バラシ図や組立図にも、主に① から② まで投影が配置されています。(正面図 ①、平面図、 右側面図)
絵に示す投影配置に加えて、次のような他のルールがあります。

    • 組立図に配置された方向による
    • 加工ルールによる

図に投影を配置する際は、場合に応じて選択します。 作成された図は読みやすく、分かりやすく、混乱を避けるようにする必要があります。

 

いくつかの基盤部品の投影を配置ルール

丸棒部品は横に配置し、加工部分は右側になります。(加工ルールによる)

 

13

 

長い形状部品は 横に配置します。

 

14

 

 

その他の種類部品
フレーム: 実際の作業方向に応じ配置します。 以下は地面の下部です。

 

15

 

ブラケット

部品図バラシの概要
基本的な規格

    • ネジ穴、穴明け、座グリ、テーパ穴の規格
    • その他の付属品の規格

次回(パート2)では、部品図バラシの実際の手順やチェックポイントを詳しく解説します。作業効率や図面品質を高めたい設計者の方は、ぜひお読みください!
→ 部品図バラシの概要(パート2)

 

また、弊社IDEAテクノロジーでは、日本企業様向けに製図アウトソーシングを提供しております。
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IDEAグループについて

弊社はベトナムにある機械設計請負・精密機械加工・自動化機械設備製作・ロボット/無人搬送車(AGV)研究開発・貿易の4つ事業をしている会社です。ベトナム国内の子会社は2社、日本と米国に各1社子会社を展開しています。

「迅速な対応・安価で高品質」をモットーにしています。従業員は250名で合弁企業含め420名、15年以上にわたりお客様に満足して頂く為に、品質、サービスを常に改善していく努力をする事でお客様からの高い評価を頂いております。今後は更なる展望として「お客様により貢献できる機械設計・加工・製造会社となり、また、ベトナムの産業の発展に貢献する」ことを目指していきます。

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