非常停止装置(E-Stop)とは?
非常停止装置(Emergency Stop、通称E-Stop)は、機械や装置の異常時に作業者が迅速に動作を停止させるための緊急用スイッチです。安全性の確保を目的とした設計において、E-Stopは不可欠な要素となっています。
非常停止装置の主な役割
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作業者の安全を確保:事故や怪我を未然に防止。
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装置や設備の損傷を回避:誤作動時に即座に停止可能。
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トラブル発生時のリスク低減:火災・感電・破損のリスクを最小限に。
設計図面におけるE-Stopの記号と表現方法
機械設計図面や電気制御図では、非常停止ボタンは以下のような記号で表されます。
設計図面では、記号に加えて設置場所、動作方式(押して停止/引いて解除)なども明記されることが多いです。
配置設計のポイント(設計者向け)
設計段階でE-Stopを適切に配置することは、安全設計の基本です。以下の点を考慮しましょう。
🔸 誰でもすぐ押せる位置に設置
作業エリア内からすぐにアクセス可能な高さ・角度に設置します。
🔸 目立つ色(赤・黄色)を使用
ISO13850では、赤いボタンと黄色の背景が推奨されています。
🔸 複数箇所に配置する場合もある
広い設備や複数の作業者がいる場合、複数のE-Stopを設けるのが一般的です。
実際の使用例と活用シーン
E-Stopは、以下のような機械・設備に多く使われています。
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CNC工作機械(旋盤、フライス盤など)
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自動搬送ライン、コンベア設備
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産業用ロボットシステム
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制御盤や配電盤
非常停止ボタンの実物画像
下記は、実際に使用される非常停止装置の写真です。
押しボタンスイッチ型のE-Stop
まとめ:E-Stopは設計の要、安全の基本
非常停止装置は、ただの“赤いボタン”ではなく、機械の命を守る安全設計の要です。設計図面において正しく記号を使用し、適切な位置に配置することが、製造現場のリスク低減と安全性向上につながります。