製図スキル
設計仕様は図面を通じて伝達され、部品名から微細な寸法・公差まで幅広い情報が含まれます。そのため、OEM設計エンジニアには図面の読解力が不可欠です。さらに、自ら設計図や中間図面を作成できるスキルがあれば、設計業務の幅が広がります。

想像力
限られた図面や仕様から製品を具現化するOEM設計エンジニアには、豊かな想像力が求められます。設計の意図を正確に把握し、製造可能な形に落とし込むには、空間認識力やビジュアル化能力が不可欠です。
これらの能力は教育で身につけるのが難しく、多くの場合、エンジニア自身の素養に依存します。
力学の知識
力学とは、静止または運動中の物体に作用する力とその影響を研究する分野です。OEM設計エンジニアは、設計案の実現可能性や制約を判断するために、以下のような力学の基礎知識を理解しておく必要があります。
- 静力学(Statics):力の釣り合いに関する解析
- 動力学(Dynamics):運動中または加速度を伴う物体に作用する力の解析(運動学・動力学に分類)
材料工学
材料工学は、製造に使用される材料の構造・特性・加工性・性能などを研究する分野です。使用する材料は、製品の用途や使用環境に応じて最適なものを選定する必要があります。
OEM設計エンジニアは以下の観点から材料を理解しておく必要があります。
- 材料の構造と特性
- 加工方法と性能
- 使用環境との適合性
適切な材料選定は、設計の実現性と製品寿命に直結します。
製造プロセスの知識
部品や製品の製造には多様な加工プロセスが存在し、OEM設計エンジニアはそれらを熟知しておく必要があります。設計段階で最適な加工方法を選定することで、コスト削減や品質向上が可能になります。
代表的な加工プロセスは下記の通りです。
- 鋳造(Casting)
- 成形(Molding)
- プレス・曲げ加工(Forming / Stamping)
- 機械加工(Machining)
- 溶接(Welding)
- 3Dプリンティング(3D Printing)
また、製造後の組立工程も考慮した設計が求められます。組立性を意識した設計は、製造現場での効率化に大きく貢献します。

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