幾何公差(GD&T)
GD&T(Geometric Dimensioning and Tolerancing:幾何寸法公差)は、部品が正しく組み合い、機能するために必要な寸法と公差を図面上で明確に示す記法です。通常の寸法表示だけでは、組立時の適合性や機能性は保証されません。
OEM設計エンジニアは、GD&Tの概念を理解し、組立レベルでの適合性と機能性を確保するために、適切な公差設計を行う必要があります。
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※本画像は、MISUMI公式サイトより引用しています。
出典:幾何公差 – ミスミ
設計ソフトウェア
現代の製造業では、設計・製造プロセスにおいてCAD(Computer-Aided Design)などのソフトウェアの活用が不可欠です。OEM設計エンジニアは、2Dおよび3DのCADソフトを使いこなし、図面の読解・作成ができる必要があります。
代表的な設計ソフトウェア:
- CATIA
- CREO
- Siemens NX CAD
- SOLIDWORKS
- AUTOCAD
すべてのソフトに精通する必要はありませんが、自社や業界で広く使用されているソフトには習熟しておくべきです。
コスト設計
企業の利益は「売上 − コスト」で決まります。OEM設計エンジニアは、製造プロセスにおける各種コストを削減することで、企業の利益向上に貢献できます。
主なコスト要素:
- 加工コスト
- 材料コスト
- 輸送コスト
- 設備投資
設計段階でコストを見積もり、創意工夫によってコストを抑えつつ、品質を維持することが求められます。「より少ないコストでより多くの価値を提供する」ことが、OEM設計エンジニアの使命の一つです。
ソフトスキル
OEM設計業務では、社内外の様々な関係者と連携する必要があります。関係者には、経営層、お客様、サプライヤー、ベンダー、エンドユーザー、株主、地域社会、従業員などが含まれます。
これらの関係者と円滑に連携するためには、以下のようなソフトスキルが不可欠です:
- コミュニケーション能力
- 分析力
- リーダーシップ
これらのスキルを磨くことで、より優れたエンジニアとして活躍することができます。

総括
OEM設計エンジニアは、部品の製造・組立の成功において中心的な役割を担っています。クライアントの要求仕様に応えるためには、幅広い知識とスキルが必要です。
上記のスキルのいずれかが不足している場合は、積極的に学び、スキルアップを図ることで、OEM設計分野でさらに活躍できるでしょう。
※本記事は後編です。前編では、OEM設計エンジニアに必要な基本スキル(製図スキル、想像力、力学、材料工学、製造プロセス)について解説しています。
👉 前編はこちら:OEM設計エンジニアの必須スキル9選|前編