前編では、CAD設計の基本とDFMの考え方について紹介しました。まだ読んでいない方はこちらから、【初心者向け】OEM設計におけるCAD図面の基本と準備|前編 を読む。
IV. 標準化された図面作成ルールの活用
CAD図面を描く際には、誰が見ても理解できるようにすることが大切です。そのためには、標準化された図面作成ルールを守ることが基本です。以下のポイントを意識することで、図面の品質を大きく向上させることができます。
- ISOやJISなどの国際規格に準拠した記号や寸法表記を使用する
- 注記(メモ)を明確に記載し、曖昧な表現を避ける
- 寸法単位(mm/inch)やフォント、線の太さなどを統一する
図面は製造現場だけでなく、品質管理、購買、外注先など多くの関係者が参照します。誰が見ても誤解なく読み取れる図面を作成することが、設計者としての信頼につながります。
V. 必要な視点と詳細情報をすべて記載すること
CAD図面を描く際には、製造現場が「何をどう作ればいいか」を正確に理解できるように、必要な視点(投影図)と詳細情報をすべて記載することが重要です。以下の項目を漏れなく図面に反映させるようにしましょう。
- 正面図、側面図、上面図などの基本的な投影図
- 必要に応じて断面図や拡大図を追加
- 寸法、公差、材質、表面処理などの仕様情報
情報が不足していると、製造現場での確認作業が増えたり、誤解による加工ミスが発生する可能性があります。図面は「設計者の意図を正確に伝えるツール」であることを意識し、細部まで丁寧に記載しましょう。

VI. 製造チームとの早期連携
CAD図面を完成させる前に、製造チームとの早期連携を行うことは非常に重要です。初心者の方でも、現場の意見を取り入れることで、より実現可能で効率的な設計ができます。
以下のような連携ポイントを意識しましょう。
- 加工方法や設備に関する現場の制約を確認する
- 図面の内容が実際の製造工程に適しているかをレビューしてもらう
- 必要に応じて設計を修正し、手戻りを防ぐ
設計者が一人で図面を仕上げるのではなく、製造現場と協力することで、図面の完成度が高まり、プロジェクト全体の品質と納期にも良い影響を与えます。
まとめ|良い図面設計がOEM製造成功の鍵
良い図面設計は、以下のようなメリットをもたらします。
- お客様の要求に正確に応える
- 製造工程の効率化とコスト削減
- 品質の安定と納期の遵守

設計は一人で完結するものではなく、チームとの連携と現場理解が不可欠です。経験を積みながら、より高度な設計にも挑戦していきましょう。