はじめに|CAD設計の第一歩
OEM設計におけるCAD図面の作成を初めて担当することになった方へ──「どこから始めればいいのか?」「何に注意すべきか?」と不安を感じていませんか?本記事では、OEM設計の初心者でも安心して取り組めるように、CAD図面の基本から、製造現場で役立つ実践的なポイントまでをわかりやすく解説します。
CAD図面の設計は、単に形状を描くだけではありません。設計者の意図を製造チームに正確に伝えるための重要なコミュニケーション手段です。品質の高い図面は、製造ミスの防止や、時間・コストの削減にもつながります。まずは、OEM設計に必要な図面の基本からしっかり学んでいきましょう!

I. OEM案件において、良いCAD図面設計が重要な理由
OEM部品の設計では、CAD図面が技術資料としてだけでなく、設計と製造をつなぐ「橋渡し」の役割を果たします。図面の品質がプロジェクト全体の成果に大きく影響します。
良い図面は以下の点で貢献します。
- 技術要件を正確に伝える
- 加工ミスや手戻りを防ぐ
- 製造コストと納期を最適化する
図面は製品の品質に直結するため、設計者としてその重要性を理解することが不可欠です。
II. OEM要求を正確に把握すること
OEM設計を始める前に、まず「何を求められているのか」を正確に理解することが重要です。図面を描く前に以下のポイントを確認しましょう。
- 製品の使用目的(どこで、どう使われるか)
- 寸法、形状、材質、強度などの技術仕様
- お客様が求める品質基準や社内規格
これらの情報を曖昧なまま設計を進めると、後で修正が必要になったり、製造段階でトラブルが発生する可能性があります。設計者として、お客様とのコミュニケーションを丁寧に行い、仕様を明確にすることが成功への第一歩です。
III. 製造しやすさを考慮した設計(DFM)
CAD図面を描く際には、「見た目が良い」だけではなく、「製造しやすい」ことも非常に重要です。これを実現するための考え方が DFM(Design for Manufacturability) です。以下のポイントを意識することで、製造現場に優しい設計ができます。
- 加工しにくい形状(細かすぎる穴、鋭角など)を避ける
- 材料の厚みやサイズを、現場の設備に合わせて選定する
- 組立や検査がしやすい構造にする
DFMを意識した設計は、製造工程の効率化だけでなく、コスト削減や品質安定にもつながります。設計者として、現場の視点を持つことが、より良い図面作成への近道です。

後編では、図面作成ルール、情報の記載方法、製造チームとの連携について詳しく解説します。
続きはこちら:【初心者向け】OEM製造を成功に導くCAD図面の実践ポイント|後編 – Idea Groupを読む。